コリアーズ・インターナショナル(東京都千代田区)は、大阪市内のグレードAオフィスビルの賃貸市況と今後の見通しについて、独自に収集したデータに基づいて分析した「大阪オフィスマーケットレポート/2024年第2四半期(4月から6月期)」をまとめた。
同レポートによると、大阪中心部のグレードAオフィスの市場は、ネットアブソープション(期初空室面積プラス期中新規供給面積マイナス期末空室面積)が前期よりも増加し、新規供給の2倍を超えたという。竣工を迎えた新築物件の稼働状況は改善しており、賃料水準の上昇に貢献して平均賃料は2期連続で上昇している。
新規供給は、前期よりも減少して7000坪弱となった。通年では、6万5000坪の供給量が見込まれる一方、今期の水準は、同年内では最小となった。
需要は前期から拡大しており、1万5000坪となり、供給を上回っている。2024年4月の竣工した「大阪堂島浜タワー」は、竣工後間もなくほぼ満床になったとみられ、新築物件への需要は強まっている。
24年は、2009年に次いで過去最大規模の新規供給が見込まれる。好調な企業収益に支えられて、需要は当面、堅調を維持すると予想している。
25年は、新規供給が2024年から半減し、空室率は横ばいとなる見通し。また、26年の供給量は1万坪に満たない水準になると見込んでいる。ただ、現時点では、需要が縮減する要因は見当たらず、空室率は再び低下に転じ、賃料水準はゆるやかに上昇すると予想している。
