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東京商工リサーチ 2024年の不動産業の倒産件数、2年ぶりに減少

 東京商工リサーチが1月14日に発表した「不動産業の倒産状況(2024年1~12月)」によると、倒産件数は280件(前年比2.7%減)で2年ぶりに減少した。半期ごとにみると、上半期(1~6月)累計は143件(前年同期比0.7%増)、下半期(7~12月)累計は137件(同6.1%減)と一進一退で推移した。負債総額は807億800万円(前年比22.7%減)で、2年ぶりに前年を下回った。負債1億円以上の倒産は102件(同18.6%増)発生したが、前年に19件発生した負債10億円以上の倒産が13件にとどまり、負債総額を押し下げた。

 今後の見通しについて、同社では、「2024年12月に当社が実施したアンケート調査において、2025年の倒産が増えると回答した不動産業は56.9%で、情報通信業や金融・保険業に次いで低い水準にある。しかし、すでに外部資本に依存した不動産業は新規の借り入れができないケースが想定される。また、金利上昇が本番を迎え、物価高が続くことによって賃料の上昇も期待できるが、借換のタイミングでは利払い負担が増加し、収益性が低下する可能性が高い。不動産業の倒産は一進一退を繰り返しながらも、資金需要が活発化する年度末に向けて緩やかに増勢をたどるとみられる」と分析している。