政策

大言小語 しなやかな産業に

 国のことを考えない国会議員、生徒の将来に責任を持たない教師、机上の空論に精を出す官僚。それだって、本人にしてみたら頑張ってやっている。仕事って何だろう。世の中には仕事をしないことを仕事にしている人種もいるというが、それは論外だ。

 ▼誰だって意味のある仕事、人に感謝される仕事、世の中に貢献できる仕事がしたい。しかし、まずは収入が途絶えないことを優先してしまうのも人の常。精々、〝仕事のための仕事〟になってしまわぬようマンネリに気をつけるしかない。

 ▼「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」が継続審議扱いのまま、次期国会に先送りされた。想定外の甚大な災害に見舞われても「負けない」「強く、しなやかな」国をつくることを目的としている。「しなやか」とは「回復力の強さ・粘り強さ」を意味するのだという。公共事業ありきではなく、日本の新しい国づくりのビジョンとしてなら、「しなやか」とはいい言葉ではないか。

 ▼日本人の粘り強さは、仕事に対するこだわりと、誇りから生まれたもののように思う。職業倫理がなくなれば、日本は壊れる。少子高齢化や若年世代の減少で、職業意識に世代間の断絶が生じ始めている気もする。住宅・不動産業界はネットの普及などを背景に、ビジネスモデルが大きく変化している。いっそ世代を飛び越え、しなやかな産業に生まれ変わるチャンスかもしれない。