トイレから手を洗わずに出る、入り口で仁王立ち、足を組んで突き出して座る。電車や駅で通勤時に見る光景だ。公共の場でも自分を律することができない。そうした人たちは、自己管理において自分を律すべき仕事で、果たして成果を出せるのだろうか…。一事が万事である。
▼各種の資格試験が実施されている。自分で日程を組み、計画通りに勉強を進めた人たちは、恐らく合格するだろう。賃貸不動産経営管理士試験も終了し、過去最多の約1万8500人が受験した。ストック活用時代に、管理業務の果たす役割が一層重要になってきたことの表れだ。
▼先日の「日管協フォーラム2018」にも過去最多の約3300人が来場。時代を反映し、電子契約、AI、IoTなどの最新技術が紹介された。半面で、クレーム対処法などのアナログなテーマでも満席となったのは、あくまで〝人〟が軸の管理業、不動産業だからなのだろう。最新技術が入ると、人との触れ合いが減るとの心配の声を聞く。しかし、最新技術を導入するからこそ単純作業から解放され、従来よりも人との接触の機会や、つながりを増やせる。 ▼冒頭で述べた手を洗わない人に話を戻すと、汚い手のままで吊り革などの様々な場所に触れる。また、痴漢えん罪を防ぐために両手で吊り革を持つ人もいる。倍々ゲームのように吊り革を軸として、汚さが伝わるアナログな接触だけは避けたいものだ。