スーパーやコンビニエンスストアのレジ横にある饅頭や団子、菓子類は、人の視覚を刺激して購買意欲を誘う。ついつい、買ってしまい後悔する。この無駄遣いが貯蓄の進まない理由の一つになる。その〝ついで買い〟は、住まい探しの場面でも始まりそうだ。
▼インターネット通販大手の米国アマゾンが不動産業に参入すると話題になった。ただし、日本への進出は考えていないようだ。アマゾンの不動産ビジネスモデルは、大手不動産会社と提携し、仲介エージェントを紹介するマッチングサービスを提供するようだ。
▼やはり、一つとして同じ物件はなく、購入でも賃貸でも、人が介在しなければ成り立たないのは、未だに不動産ビジネスの特長。無人のコンビニエンスストアのように購入者自身がレジで精算して、というわけにはいかない。しかし日本も、駅前の不動産仲介店舗の窓ガラスに貼られた物件概要書面で選び、内覧して決めるアナログ形式は、なくなりつつあり、いずれ遠い過去のものになることだろう。
▼アマゾンも心得たもので、利用者に特典で惹きつけ、住まい探しのサイト上で目にとまるような家具・家電、生活用品などの購入を誘因して儲けるそろばんを弾く。日本の不動産仲介店舗が商業施設内に出店しているのはこれと逆に、買い物の〝ついでに〟が狙いなのだろうか。ただ、決めた後に後悔しないように、じっくりと住まいを選んでほしいものだ。