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記者が解説 住宅新報web週刊ニュース記事(2025/10/07〜2025/10/13)

Pick Up!

  • 東京・府中市で最大級データセンター開発
  • 渋谷区内最大規模 東京・笹塚で定借659戸
  • 宅建士 最後に覚える重要数字

 1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事をピックアップします。まずは、2位の「長谷工 東京・府中市で最大級 データセンター開発に着手 非住宅分野の受注拡大へ(2025/10/7号)」になります。分譲マンション建設大手の長谷工コーポレーションが住宅分野だけでなく、非住宅分野での受注を本格化させるという記事です。同社では、中期経営計画で「建設事業の領域拡大」を重点戦略として掲げています。人口減少により、住宅市場が今後縮小していくことを見据えての展開になりますが、その中でもデータセンターは、今注目の領域です。AI(人工知能)の発達により、膨大なデータ処理が必要なため、データセンターの開発が急務となっている中で、事業展開に白羽の矢を立てました。昨年7月に専門部署「データセンター推進部」も立ち上げており、この分野での受注が相次ぎそうです。

 次に挙げるのが8位の「三井不レジ、渋谷区内最大規模 東京・笹塚で定借659戸 第1期230戸完売、坪700万円(2025/10/7号)」になります。借地期間が約70年の分譲マンションのニュースです。最寄り駅から徒歩3分という距離に総戸数659戸が供給され、その初弾230戸が完売しましたが、その分譲価格は坪単価で平均700万円です。定借物件は、一般的な分譲マンションに比べて2割程度安いとされてきましたが、この価格帯を見て「割安だね」、と感じる人は特別な人なのでしょう。第2期の販売でも、最多予定価格が1億円台ということです。高くても購入する人がいることで、全体の供給量を絞りながらも、そうした層に照準を当ててのマンション開発で業績拡大につなげていく戦略を採っています。

 最後に挙げるのが、7位の「宅建士 最後に覚える重要数字(2025/10/7号)」になります。10月19日(日)に宅地建物取引士の試験が行われます。受験者は、申し込みベースで昨年に続き30万人を突破しました。試験の追い込み時期であるだけに、「宅建士 最後に覚える重要数字」に多くのアクセスが集まりました。10月14日号の社説でも取り上げましたが、宅建試験の受験者数からは、資格試験としての人気度がうかがえる一方で、宅建士合格者が住宅・不動産業界に流れ込んでいるかという面は必ずしもそうではありません。不動産と親和性の高い銀行・信託銀行・信用金庫や保険会社などの金融機関のほか、総合商社などに人材が流れています。人口減少により優秀な人材獲得が厳しくなっている中で、住宅・不動産各社は、異業種に〝奪われない〟魅力のある業界づくりが求められています。

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アクセスランキングトップ10 (2025年10月07日~2025年10月13日)