日本政府観光局(JNTO)の11月18日の発表によると、10月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年同月比98・9%減の2万7400人だった。13カ月連続の減少であり、依然として大半の国・地域からの訪日客は同99%以上の減少が続いているものの、人数としては7カ月ぶりに2万人を超えた。
訪日客がやや増加した背景の一つは、夏ごろから我が国と一部の国との間で、入国後14日間の自宅待機等を維持しつつ、行動範囲を限定するなどしてビジネス上の出入国を認める「レジデンストラック」「ビジネストラック」制度を運用している影響。もう一つは政府が10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業等の存在を条件に、原則としてすべての国・地域からの新規入国を許可していることだ。
これらの措置により、JNTOは「(訪日客の)実数は徐々に増加している」と述べている。ただし新型コロナウイルス感染症は今も世界各国で猛威を振るっており、渡航制限等を継続している国・地域も多い。増加した訪日客は原則としてビジネス目的ということもあり、地方観光地などにおけるインバウンド経済回復に向けた道筋は、まだ見通せない状況が続いている。