国土交通省は6月7日、所有者不明土地等対策に関する最新の工程表を発表した。今国会で成立した法律等の円滑な施行を図ると共に、所有者不明土地特措法の施行後3年経過の見直しなど、重要課題の具体的検討を進める。必要な仕組みの拡充や創設を検討し、年内にとりまとめの上、次期通常国会に必要な法案の提出を目指す。
所有者不明土地等に関わる諸課題に対して、関係行政機関が連携し、政府一体となって総合的な対策を推進する関係閣僚会議で決定したもの。6月7日に開催された第8回会議では、所有者不明土地対策のための新たな基本方針および工程表の改定を決めた。
基本方針では、新しい法制度を円滑に施行するための体制強化や土地所有者等の責務を具体化する施策の一体的な推進のほか、地籍調査の円滑化・迅速化に向けた地方公共団体への支援や情報基盤である登記所備付地図の整備などを明記。更に、登記手続き費用の負担軽減に向けた22年度税制改正要望をはじめ、法務局等関係機関の体制整備や必要なシステム開発などにより、民事基本法制の円滑な施行に向けて取り組むこととした。多様な土地所有者の情報を円滑に把握する仕組みを構築し、行政機関に対して戸籍情報を電子的に提供する戸籍情報連携システムの運用を23年度中に開始することも盛り込んだ。
なお、今後は今年11月に同特措法の施行から3年が経過し、見直しの時期になることに向けて、所有者不明土地の円滑な利活用・管理を図る仕組みの拡充や、管理不全土地・低未利用地の利活用・管理を図るための仕組み等を検討。国土審議会で制度見直しの内容について、今年12月をめどにとりまとめ、次期通常国会に必要な法案の提出を目指す計画だ。