独自のプラットフォームを活用して中古不動産の買い取り、販売、仲介などを手掛けるランドネット(東京都豊島区)。7月21日には、東京証券取引所ジャスダック市場に上場した。同社の榮章博社長に、上場の狙いや今後の展開を聞いた。
――上場の狙いは。
「当社は99年9月に設立。築20年以上の築古のワンルームマンションを仕入れて、販売する事業をメインに展開している。販売先は個人投資家が47%、法人が53%でほぼ半々だ。今回の上場により、社会的な信用度がアップすることで、人材確保の優位性や金融機関からの評価向上が期待できる。そこにブランド価値を高めるためのCMなども計画している」
「当社が確立してきたビジネスモデルは、蓄積した膨大な不動産所有者情報をベースに、そこから電話やダイレクトメールで営業提案し、仕入れや販売につなげていくものだ。上場を機にその対象エリアや物件の種類を拡大したい」
――具体的には。
「拠点としては現在の東京、横浜、大阪に加えて、九州にも広げる。更には名古屋や仙台も視野に入れている。物件の種類としては現在は区分マンションが中心だが、戸建て住宅やアパートにも対象を広げたい。そのほか、リースバック事業も本格化する予定だ。また、仕入れた物件はリフォーム、リノベーションを施してから販売する方向に切り替える。社内の建築、リノベーション事業部の体制も整ってきた」
――社内のシステム開発については。
「当社の最大の特徴はシステム開発に力を入れている点だ。社員約450名のうち、約100名がデータ関連を担っている。現在、社内の情報プラットフォームを整備している。例えば問い合わせがあった場合、その顧客が、売買、賃貸、リフォームといったどの事業分野の顧客なのか、借主なのか、貸主なのかといった情報を瞬時に把握できるデータベースだ」
「現在、社内で、営業担当者の電話でのやりとり(音声)をテキスト化する仕組みを取り入れている。それにより、社員の営業技術向上、クレームの未然防止に役立てている。現在はポイントになるキーワードを抽出する方式で分析しているが、いずれはAIを使った感情分析にまで発展させていきたい」
――今後の目標は。
「最新のテクノロジーと独自のデータベースによって日本全国の中古不動産の流通と再生、運用によって日本を応援したい。将来的には海外市場への上場も目指したい」