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広がる〝顔認証〟技術 仕事や暮らし方が一層便利に

 さまざまな施設、場面で、「顔認証技術」の活用が広がっている。コロナ禍で非接触・非対面ニーズが高まり、入館時の手続きなどで的確に人を識別する高いセキュリティ性を確保しつつ、これらのニーズに応えて、仕事や暮らし方の利便性さえも高めている。

 フジテック(東京都港区)は、顔認証によるエレベータ操作システムを7月2日に開発し、商品化に向けて検証を重ねている。事前に顔写真と、自身が向かう利用・目的階を登録しておくと、専用カメラの顔認証によってエレベータを自動的に呼び出し、当該階まで移動できる。

照明・空調と連動

 NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(東京都中央区)は、顔認証による施設への入退館時の手続きと、執務空間など室内の照明や空調設備を連動させる組み合わせを自動制御できるように、共創事業を6月8日に始めた。

 顔画像をIDとして活用する。利用者の入退館に際して、各自の仕事内容などに合わせた照明の照度や空調の温度などを自動制御でき、快適な室内空間を整えられる世界観を構築していく。

 また、パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、一度に15万人分の照合が可能な技術を搭載した「顔認証エンジン」の新バージョンの提供を7月6日から始めている。

プライバシー保護

 顔認証は、「個人情報」の一つでもある。大多数が来場する商業施設などの監視カメラに、不用意に映り込みたくないとの声は少なくない。それをマスキング(モザイクで覆い隠す)したいニーズもある。SMITH&MOTORS(東京都文京区)とDeep Consulting(同住所)は、マスク着用時も高精度に認識し、入館時の顔映像を高速にマスキング処理して、プライバシーを保護する技術を開発した(写真)。

在宅・テレワークで

 キヤノンITソリューションズ(東京都港区)は、パソコン画面の「のぞき込み」「なりすまし」を検出し、情報漏洩リスクを抑止する顔認証精度を向上させたクラウド型テレワーク支援サービスの提供を7月5日に始めるなど、活用シーンが広がっている。