東急不動産は、大阪市中心部においてタワーマンションの供給を強化している。これまで同社は「ブランズタワー」を大阪府下で9棟供給しており、10棟目となる「ブランズタワー谷町四丁目」(大阪市中央区、総戸数174戸、竣工予定24年1月)のギャラリーでの事前案内を4月29日から開始、7月に販売を行う予定だ。詳細は未定だが、平均坪単価は350万円台を見込む。同社は、大阪市中央区、西区、北区など御堂筋周辺でタワマンを展開。御堂筋周辺は注目度が高く、大阪市中央区は55年ぶりに人口が10万人台となるなど、居住人口が増加している。好調な市況を背景に、それぞれの物件で特徴を打ち出し、他社物件との差別化を図る。
「ブランズタワー谷町四丁目」は、「Next Normal」がコンセプト。パナソニックと共同開発した冷凍・冷蔵宅配ボックスを採用。関西で初となる実質再生可能エネルギー100%利用や共用フィットネスルームにオンラインフィットネスサービス「MIRROR FIT.」を設置、大阪市中央区初の10ギガインターネットサービスの全戸一括採用といった特徴がある。
同物件は、専有面積が約41~114m2、価格は3000万円台後半~1億円台後半、平均7000万円台を想定している。事前の反響は530件と平均的なペースで、プレファミリー層やDINKSなどの実需が中心。大阪メトロ「谷町四丁目駅」が利用できる利便性の高さや、市中心部で貴重な緑のある大阪城公園が近いこと、などが評価されているという。
販売にDXを活用
「谷町四丁目」に先行して販売している「ブランズタワー大阪本町」(大阪市中央区、同302戸、同23年11月)は、2府4県において2月度に成約率がトップ、4月までに約130戸、全体の3分の1強を販売しており「大阪でタワマンは初発で2割売れれば成功」(関西住宅事業本部の池田智紀販売部統括部長)と言われる中で好調な売れ行きを示す。
同物件は、共有部を最上階42階「アマ・テラス」に集約、大丸松坂屋との連携、冷凍・冷蔵宅配ボックスの採用といった特徴がある。これまでに資料請求は2300件超、600件のギャラリー来場があった。契約物件の坪単価は393万円。契約の4割強は経営者や医師などで過半数が実需だが、立地特性上、国内外から着目される物件のため、投資需要も高いと言う。
両物件は販売方法においてもDXを活用。「大阪本町」のギャラリーでは、XR(現実空間と仮想空間の融合)を導入し、「アマ・テラス」を体感できるようにした。「谷町四丁目」では、建物の模型を使わずVR(仮想現実)模型やVRモデルルームを導入した。