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大言小語 風に乗れるか

 4月から始まった相続登記の義務化。登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」は全国で増加し、周辺の環境悪化や民間取引・公共事業を阻害する要因となる。国土交通省の調査では、全国の土地の2割以上が所有者不明という。これまで任意だった相続登記を義務付け、所有者が判明することで、空き地及び空き家の流動活性化につなげたい考えだ。

 ▼具体的には、不動産を取得した相続人に対し、取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を義務付ける。正当な理由のない申請漏れの場合、罰則として10万円以下の過料が科される可能性がある。法務省は関連省令も改正し、相続人が複数いる場合に簡易な手続きで登録の申請義務を果たしたとみなす制度を創設。「空き家になった要因の5割弱は相続」(ジェクトワン調べ)という調査結果もあり、団塊世代が75歳以上となる25年を目前に、相続不動産の空き家化を回避する取り組みが重要性を増す。

 ▼いえらぶグループの調査では相続登記の義務化について売買仲介会社の約8割が認知する一方、消費者側は3割未満というギャップが浮かび上がった。空き家化対策に関する様々なサービスやプレーヤーが出てきているが、それぞれのビジネスの向かう先が理解され、消費者に届いていくことが重要だ。各社が手を組み、対策の効果や分かりやすさという浮遊力が増すことで、新制度の追い風に乗れるだろうか。