『はて?』NHKの連続テレビ小説『虎に翼』の主人公が〝本当にそうなのか〟と疑問を感じたときに発する言葉だ。日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性の生涯を描いているが、『はて?』と思うシーンは今も珍しくない。政界は日常茶飯事だ。 ▼自民党総裁選に出馬しない岸田総理は「裏金」対応を誤り失脚する。政治家がパーティー券販売でキックバックを受け取った。『はて?』彼ら、彼女らの確定申告はどうなっているのだ。「不正に蓄財している」と国民から怒りを買った。
▼今年3月にマイナス金利が解除され、7月に政策金利が引き上げられたことで「金利ある世界」が復活すると喜ぶ。報道も住宅ローン金利が上昇するなどの影響はあるが預金金利も上がるため、一般消費者にとってもプラスになる、との論調だ。しかし、ここで『はて?』だ。一般消費者とは、どのクラスを指しているのか。利子で財産が増えたと実感できる人は、それ相応の蓄財がある人だ。富裕層は1%の利上げで十分に利子を受け取れるが、庶民は1%利上げで得る利子は知れており、ローン金利上昇で住宅購入を諦める。
▼不動産大手は地域活性をお題目に再開発事業に余念がないが、併設する住宅は富裕層に焦点を当てての高級住宅。住宅確保要配慮者など社会弱者への対応とビジネスの両立に知恵を絞るのは常に中小不動産会社で、大手は振り向きもしない。『はて?これで良いのだろうか』