人手不足が全国的に問題になっている。特に中小零細企業は、事業承継とともに将来会社を背負って立つ若手社員の採用に苦戦している。若者は仕事とプライベートの両立を重視し、仕事に追われる日々、ブラック企業に対する警戒感がかなり高まっている。
▼ただ、そんな企業ばかりではない。ちんたい研究会が主催する「ちんたいグランプリ2024」が今年も開催された。賃貸住宅業界が抱えている課題、少子高齢社会で人口が減少の一途をたどる中で、どのように会社を成長させるかを模索し、自らのアイデアを実践して効果を上げていることをプレゼンテーションで競うものだ。シティ・ハウジングの菅生春香さんは、企業内大学と称した自由参加型の社内研修制度を発表してグランプリを受賞。従業員数85人を抱える賃貸管理・仲介業を展開する徳島県の不動産会社で、個の成長を通じ会社の成長につなげるという試みだ。地方で奮闘する不動産会社は少なくない。
▼半面、政治はどうか。政治家の〝事業承継〟は血筋で決まり、私腹を肥やすというイメージが付きまとう。中小企業のような悩みは皆無。10月27日に衆議院選挙が行われた。裏金問題で国民は審判を下したか。このコラムの執筆時は、結果はまだ分からないが、自民が苦戦するであろうことは想定できる。裏金対応で失脚した岸田前総理の後に石破氏が総理に就いた。初代、地方創生相としての力量も問われている。