AndDoホールディングス(安藤正弘代表取締役会長CEO)が、戦略の転換点を迎えている。2月25日に開かれた25年6月期第2四半期決算(連結)の説明会で、安藤会長は「ハウス・リースバックの仕入れ件数の抑制を検討している。減速する場合、その資金を中古住宅買取再販事業の強化に充てる」と説明。今年1月末時点のリースバックのストックは約92億円(672件)で、抑制した場合も今期中の影響は出ないと見通した上で、3月中をめどに方向性を示したいとした。
リースバック事業の見直しについて、安藤会長は昨年11月の他社サービスに関する一部報道の影響で、反響数及び新規仕入れ契約件数の減少が続いていると報告。「販促費の増加や、金利上昇局面においてファンドへの売却基準が厳しくなる可能性がある」とも言い、現在、月間100件超とする仕入れ件数を50~70件に抑えるシナリオを示した。その際、これまで仕入れに要した資金を中古住宅買取再販事業に充て、強化を図る可能性についても言及した。
一方、買取再販事業について、資金回収期間が新築販売より短い7カ月程度である点や、流動性の高い好立地案件を手掛ける優位性を強調。人員強化に伴い、上半期の仕入れ及び在庫件数が順調に増加しており、順次商品化を見込むとし、「来期は買取再販事業が売上高、利益共に押し上げてくる」と説明した。
ハウス・リースバックの今後の役割については、「融資やリバースモーゲージを受けられない人への対応」「債権処理に活用」「買い替えのつなぎ役」などを挙げ、「ニーズに応じた対応をしたい」と述べた。
上期減益は「想定内」
なお、同社の25年6月期第2四半期決算(連結)は売上高359.2億円(前年同期比1.6%増)、営業利益16億円(同25.7%減)、経常利益17.5億円(同16.3%減)、純利益11.3億円(同18.9%減)の増収減益だった。売上高は過去最高を更新する一方、営業利益は、金融事業が大幅に伸長したが、ハウス・リースバックはファンドへの流動化のボリュームの影響、不動産売買は大型案件の粗利率等の影響で減少した。なお、上半期での前年同期比減益は当初業績予想に織り込み済みと説明した。
セグメント別では、フランチャイズ事業は新規加盟契約65件を獲得し、累計加盟店舗数が714店舗、売上高が15億8300万円(同0.6%減)となった。不動産売買事業は、販売促進や大型案件の売却が進んだ結果、取引件数は571件(同33.4%増)となり、売上高は218億2800万円(同15.3%増)となった。
また、同社は上半期に第一生命ホールディングスと資本業務提携契約を締結したほか、リバースモーゲージ保証残高が250億円を突破した。特に第一生命との提携について安藤正会長は、両社の全国ネットワークや顧客を生かした具体的な協業内容を今後検討していくと展望した。
AndDoホールディングス
決 算 25年6月第2四半期
売上高 359億円 (1.6%)
営業利益 16億円 (△25.7%)
経常利益 17億円 (△16.3%)
当期利益 11億円 (△18.9%)
予 想 25年6月
売上高 700億円 (3.6%)
営業利益 40億円 (11.5%)
経常利益 40億円 (15.7%)
当期利益 26億円 (6.6%)