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大言小語 惰眠をむさぼる

 新年度は様々な制度が変わる。3メガバンクは、住宅ローンの変動型金利を引き上げた。全ての大手電力会社が電気料金を値上げしている。食品メーカーも一斉に値上げし、一方、高騰した米価は据え置きで備蓄米の放出後も下がる気配はない。賃上げに期待ができない零細企業に勤める従業員の家計はひっ迫し、厳しさが増す。

 ▼建築基準法と建築物省エネ法が改正され、全ての新築住宅に対して省エネ基準の適合が義務化されている。戸建て住宅や中小規模ビルでも対応が求められ、設計段階からの勘案が必要になる。東京都では、新築住宅の太陽光発電設備の設置や断熱・省エネ性能の確保などを義務化している。

 ▼育児介護休業法は、テレワークを4月の改正で努力義務化、10月の改正では柔軟な働き方を実現するための措置が義務化される。時代の変化と共に、暮らしや仕事で様々な変化が起こる。ある一定のゴールの姿を実現するために「義務化」がある。義務には果たすべき責任が発生し、それが「責務」となる。

 ▼様々な義務化には、賛否両論がある。ただ間違いなく言えるのは、権利があり、責務がある。その逆も同じ。ろくに責務を果たさずに「権利」ばかりを主張していれば、組織や企業、地域、国も滅びる。例えば、何かを果たしているつもりで、業績改善の責務は他人任せで、自らは権利を主張するだけの人は怠慢にも惰眠をむさぼっている。それを無責任と言う。