年金不安・相続税改正に対応 資産として再発見! マイホーム活用術

資産として再発見!マイホーム活用術(13)Q12.税制を上手に利用する方法

結婚20年のベテラン夫婦なら2,000万円の配偶者控除に注目

老後の生活や相続を見越して、住宅をマンションなどに組替える可能性を考えた場合、住宅の持分を配偶者に贈与する方法が考えられます。20年以上連れ添った夫婦であれば、2,000万円の配偶者控除が利用できます。現物の住宅を贈与する場合は、その相続税評価額が課税価格になりますが、2,000万円の配偶者控除によりその課税価格から2,000万円を差し引くことができます。この特例を利用すれば、大きな住宅でも夫婦で共有にすることができます。
ただし、贈与を受けた住宅には、基本的に贈与後も住み続けることが前提です。
贈与後、何年かたって、夫に介護が必要になるなど状況が変わり、住宅を売ったほうが生活しやすくなるということで、住宅を売る場合は譲渡所得の申告が必要になりますが、譲渡所得の計算上、最大3,000万円の控除ができるなどの特例が夫婦で利用できるメリットがあります。
相続後の小規模宅地の評価減の特例については、夫が亡くなった場合に、その住宅の夫の持分について、この特例が適用できるかどうかが課題になります。
仮に、その適用が受けられない場合でも、住宅全部が夫の財産のまま小規模宅地の評価減の適用が受けられない場合よりは、相続税の課税対象金額は小さくできます。

税理士 本郷 尚 (ほんごう たかし) http://www.tactnet.com/

税理士法人タクトコンサルティング 代表社員
株式会社タクトコンサルティング  会長

昭和48年 税理士登録
昭和50年 本郷会計事務所開業
昭和58年 株式会社タクトコンサルティング設立
平成15年 税理士法人タクトコンサルティング設立
平成24年  株式会社タクトコンサルティング 代表取締役を退任し、会長に就任

不動産活用・相続・贈与・譲渡など資産税に特化したコンサルティングを展開。
資産税を軸足とした税理士として、執筆、講演に注力。


【主な著書】
「継ぐ」より「分ける」相続―45歳を過ぎたら“相続適齢期”(タクトコンサルティング)
心をつかめ!コンサルタント(住宅新報社)
ほんもののコンサルタントになる本―プロは勝ちより価値にこだわる (能力開発シリーズ)(住宅新報社)
がんばれ大家さん!(タクトコンサルティング)
生前相続―発想を変えれば人生が変わる(文芸社)
女の相続―Six stories(文芸社)
改訂とっておきの相続(タクトコンサルティング)
不動産M&A入門 (図解不動産業)(住宅新報社)