宅建試験に合格したら、みなさんは何をされますか?
仕事にいっそう邁進(まいしん)する? 就職・転職活動をする? 友達や家族と遊びに行く――なんていう楽しいプランもあるでしょう。でも、それもこれも、試験に合格すればこそ。まずは合格証を手にしなければなりません。
住宅新報社は、そんな皆さまを合格まで全力サポートすることを宣言します! 一人でくじけそうになったとき、ぜひこのページを開いてください。住宅新報社の総力を結集し、皆さまのやる気やニーズを満たすコンテンツを取り揃えてお待ちしております!
(住宅新報社 制作本部出版企画グループ一同)
氷見 敏明(ひみ としあき) 住宅新報専任講師
東京法科学院専門学校、東京商科専門学校での受験指導にはじまり、新潟会計ビジネス専門学校、亜細亜大学生涯学習推進室での宅建試験指導、中央大学生協主催の宅建試験講座を担当。住宅新報社、クレアールアカデミー、不動産会社等での宅建、マンション管理士受験指導等の多数の受験指導歴を持つ。『楽学宅建 一問一答』『楽学マンション管理士』『楽学管理業務主任者過去問5年間』(以上、住宅新報社)等、著書多数。
●第12回 無権代理における 本人と相手方の権利
代理の分野は、ほぼ毎年出題されています。そのうち無権代理は、昨年度は出題されませんでした。そこで今回はヤマをはって、無権代理のポイントを押さえましょう。
Aは、自己所有の甲土地の売却の代理権限をBに与えていません。それにも関わらずBが、「私(B)は、Aの代理人です」と言い、Cに甲土地を売却したとしましょう。
1 本人の追認権と追認拒絶権
無権代理の場合、AC間には売買契約の効力は生じません。ただし本人Aに、追認権と追認拒絶権が生じます。本人Aが追認をすれば、AC間に有効に売買契約が成立します。Cは、Aに対し移転登記の請求をすることができます。
本人Aは、追認を拒絶すれば追認権を失い、AC間の売買契約は無効に確定します。
2 相手方の催告権、取消権、無権代理人に対する請求権
相手方Cには、善意、悪意にかかわらず催告権があります。Cは、相当の期間を定めて、本人Aにその期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができます。本人Aがその期間内に確答しなければ、追認を拒絶したものとみなされます。
相手方Cは、善意(過失があってもよい)であれば、本人が追認していない間に限り、無権代理行為を取り消すことができます。ただしCが悪意の場合、Cは取り消せません。
相手方Cは、善意無過失であれば、無権代理人Bに対し、履行又は損害賠償請求をすることができます。
次回は、宅建業法の営業保証金及び保証協会について比較します。