全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)
全宅連は、都道府県の区域を単位とした47の宅地建物取引業協会(宅建協会)を会員としています。これらの会員に所属する構成員(宅建協会の会員である宅地建物取引事業者)は、約10万社であり、不動産業界における名実ともに最大の団体を構成しています。会員所属構成員の多くが中小不動産事業者で、全国的結束によって相互協力の成果をあげています。
■受講の流れ
不断の研鑽に期待 国土交通省土地・建設産業局 局長 毛利信二
15年4月1日に改正宅地建物取引業法が施行され、すべての「宅地建物取引主任者」は「宅地建物取引士」となります。本改正では、名称変更にとどまらず、宅地建物取引士の知識・能力の維持向上や、宅地建物取引業者の従業者教育の規定が盛り込まれました。
宅地建物取引士は、不動産取引のプロとして、常に最新の法令等を的確に把握し、これに合わせて必要な実務能力を磨くなど、不断の自己研鑽が求められます。また、不動産取引における消費者の多様なニーズに対応していくためには、宅地建物取引士に限らず、広く取引に従事する方々の資質の向上が不可欠であり、業界を挙げたサポートが必要です。
こうした状況の中、全宅連では、不動産実務における基礎知識の修得向上のための資格講座として、13年5月に「不動産キャリアパーソン」を立ち上げられ、開講以来、全国で1万4000人を超える多くの方々が受講されていると聞いております。まさに、今回の法改正の趣旨を先取りした有意義な取り組みであり、高く評価させていただきます。
「不動産キャリアパーソン」は、倫理・コンプライアンスなど、従業者としての大切な心構えに加えて、物件調査や価格査定、売買契約や媒介業務に関する基本など、取引実務において必須となる基礎知識を中心とした内容の講座になっておりますが、今後、更なる専門科目の充実や一層の普及促進など、取り組みの裾野を広げていっていただければと思います。
不動産は、国民生活や経済活動の基盤であり、社会の礎とも言えます。宅地建物取引業は、こうした重要な財産を預かる、国民の信頼の上に成り立っている産業です。「不動産キャリアパーソン」が、こうした「信頼産業」の一員として、宅地建物取引士と共に、不動産取引における消費者保護の一層の充実や安全・安心な取引の実現に大きな役割を果たしてくれることを強く期待しております。
受講者が語る魅力とは
お客様に安心感を エステートレビュー(株) 田村誠さん(千葉県)
不動産業に従事して25年、大手不動産会社から地元の中小会社を経て3年前に独立しました。サラリーマンの頃は不明な点や不十分な知識でも周りに確認することができましたが、独立したら頼れるのは自分だけです。自分の知識と能力が正しいかを確かめたいと思い受講しました。映像とテキストでの学習は非常に分かりやすく、学習を通して忘れていた知識だけでなく、基本に忠実であること、自分ではなくお客様に向きあうことなど仕事に対する姿勢も再認識でき、勉強になりました。
不動産業者の担当の知識はどの程度かお客様には見えないものですが、新入社員でも、中途採用でも、名刺を持てばその会社の顔になります。不動産キャリアパーソンは基本知識やスキルを持った営業という証しになりますので、依頼するお客様にも多少なりの安心感はあると思います。その目に見える証しである資格登録証は、接客の際に必ず身につけています。
不動産キャリアパーソンの内容は実務の基礎ですが不動産の流れが理解できるため、新入社員研修にも最適です。特に若い方は持っていたほうがよいと思います。一般の方も受講できますので、不動産の知識を得たい方はぜひ受講してみてください。
宅建士へのステップに 明海大学不動産学部 立川雄大さん(神奈川県)
父親が不動産業を営んでいます。卒業後の進路は不動産業を志望しているため、現在大学では不動産学を学びながら宅地建物取引士取得に向けて勉強しています。宅地建物取引士の合格は容易ではありませんので、何かそのステップアップになる資格を探していたところ、大学でパンフレットを見て不動産キャリアパーソンを知りました。友人たちも興味は持ったみたいですが、どうも様子見をしているようでしたので、まずは私がチャレンジしてみました。
テキストが届いたときはその厚さに驚きましたが、内容が宅地建物取引士の試験勉強よりも面白く、学習していくうちにモチベーションも上がりました。1カ月間テキスト学習をメインに集中して取り組み、合格することができました。私が合格したことが分かったら、友人たちもようやく申し込むと思います(笑)。
不動産キャリアパーソンで学んだことを生かし、次は宅地建物取引士試験合格、そしていずれはよい後継者として家業を継げればと思います。