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近畿圏、高水準を維持 5月の分譲マンション賃料

 東京カンテイはこのほど、3大都市圏における11年5月の分譲マンション賃料をまとめた。
 首都圏(2590円、前月比1.2%下落)では、東京都(2975円、同0.9%下落)が1年ぶりに3000円台を割り込み、下落基調が鮮明。前月まで2カ月連続で上昇していた神奈川県(2039円、同0.6%下落)と埼玉県(1646円、同1.1%下落)も低迷した。一方で千葉県(1596円、同0.4%上昇)は、液状化被害が生じた湾岸エリアの事例が減ったうえ、千葉市(1555円、同0.5%上昇)が強含んだ影響で数字上は上昇したと見られる。
 近畿圏(1738円、同0.2%下落)は下落したものの、依然として高い賃料水準を維持。大阪府(1797円、同0.2%下落)は10年10月以来ほぼ同じ築年数(約15年)で推移しているが、この間1780円弱の賃料水準で安定している。兵庫県(1704円、同0.5%下落)も同様に、1700円台を保った。近畿圏の好調ぶりは、原発事故が収束する見通しが立たず、電力の安定供給も危ぶまれる状況下で関西方面へ拠点を移す動きが出始めたことを示しているとも考えられる。
 一方、前月まで2カ月連続で上昇していた中部圏(1492円、同1.4%下落)は再び下落。愛知県(1523円、同1.1%下落)も同様で、底打ちの見通しは先送りとなった。