最高裁は7月15日、更新料特約が消費者契約法に照らして無効か有効かを争っていた3件の上告審について、「更新料は有効」という初の判断を示した。これにより、借り手側の敗訴が確定した。
判決では、更新料は賃料の補充ないし前払いとしての性格が認められるため、賃借人と賃貸人との間で更新料の支払いに関する明確な合意が成立している場合には、その金額が賃料などと比べ高額に過ぎるなどの特殊な事情がない限り、消費者の利益を一方的に害するものとは言えず、消費者契約法違反には当たらないとした。
最高裁判所第2小法廷の古田佑紀裁判長は「更新料は家賃の前払いなどの意味があり、一定の地域では商慣習として定着している。従って契約書に更新料が明記され、当事者が合意している場合には、それがあまりに高額でなければ有効」との判断を示し、既に100万件以上あると見られている更新料特約の商慣習を追認した。
3件の訴訟はいずれも二審が大阪高裁で争われ「無効」が2件、1件が「有効」と判断されていた。無効とした2件は、借り手の負担が大きいにもかかわらず、その対価に見合う合理的根拠がないなどの点が指摘され、「有効」とした1件は賃借権の対価性を認め、借り手に一方的に不利益とは言えないとしていた。