政策

30階以上の建築物、都内は10年で3.4倍 災害リスクにも 2010年度国交白書

 国土交通省は8月26日、東日本大震災による住宅、インフラへの被害や復旧、復興に向けた同省の対応などを盛り込んだ2010年度版国土交通白書を公表した。
 白書では、災害に強い国土づくりに向けた課題として、大都市に潜むリスクに言及。その1つとして、高層建築物の増加を指摘している。東京都内では、30階以上の建築物がここ10年(1999~2009年)で3.4倍に増加。10階以上の建築物も1.6倍に増えているという。
 高層建築物について白書では、今回の震災でも長周期地震動に起因する大きな揺れによる被害やエレベーターでの閉じ込めが発生したことに言及。また、電気・上下水道などのライフラインやエレベーターの一時停止によって高層階で孤立し、生活が困難な状況となる「高層難民化」の危険性があるとも指摘。「災害時の高層難民対策が求められている」としている。