国土交通省は住宅の液状化に関する情報について、第三者が住宅性能を評価する住宅性能表示制度の評価対象に加えるための本格的な検討に入る。このほど、制度確立に向けて液状化情報の表示に関する基準整備の検討を行う事業主体を公募し、株式会社東京ソイルリサーチに決定。2011年度内をメドに同社がまとめる検討結果を踏まえ、国交省は、具体的な制度確立を目指す方針だ。
液状化情報の表示に関する基準整備の検討では、建築分野の実務で現在使われている液状化予測手法を対象に、地震動の継続時間が長い場合などの適用性や、予測結果と被害状況との対応状況を調査。また、地盤を対象にした液状化に関する情報を表示する際に有効な項目や内容を検討する。
東日本大震災では、東京湾岸地域など広範囲で液状化が発生。戸建て住宅などの小規模な住宅について、建築物全体の傾斜や沈下の被害が見られている。こうしたことから、国交省は特に、戸建て住宅の液状化対策として、地盤の液状化に関する情報が住宅取得者に確実に提供されることを重要視している。