日本増改築産業協会(JERCO、東京都中央区)主催のリフォーム実践勉強会で、一般社団法人工務店サポートセンター(東京都中央区)の青木哲也氏が「JBN既存適合住宅制度」の概要を説明した。
同制度は、移住・住みかえ支援機構(JTI)が実施している「マイホーム借り上げ制度」の既存住宅版。一定要件を満たした住宅をJTIが借り上げ転貸する仕組みで、空室状態でも家賃が保証されるものだ。工務店サポートセンターは2010年にJTIと提携し、JBN既存適合住宅制度を開始。(1)原則築5年以上(2)補強・改修工事後の耐震性能評点が1.0以上(3)リフォーム瑕疵(かし)保険の付保(4)住宅履歴の登録・更新、などが利用条件となる。青木氏は同制度を活用する事業者側のメリットとして、「リフォームにより資産価値が上がるという理屈が明瞭であるため、性能向上につながる改修内容を提案しやすい」と話し、大規模リフォームの受注を促進できる点を強調した。
一方で、「地域によっては適用が難しいケースも想定される」と指摘。所有者がJTIや仲介業者に支払う手数料や、転貸時は3年の定期借家契約を結ぶためやや割安に賃料を設定する場合があることも考慮すると、「相場の2割引き程度」の賃料収入になる。従って、「ファミリータイプの相場が4~5万円ほどの場合は成立しにくい」と説明した。
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