日本マンション管理士会連合会(東京都千代田区)は4月10日、東京電力(東京都港区)による電気料金の値上げ対象に、一部の分譲マンションの共用部分で使用する電気料金が含まれることに対して、民主党と経済産業省、国土交通省などに陳情書を提出した。近く東電にも提出する予定。
東電は4月1日から自由化部門を対象として、電気料金を平均17%値上げすることを表明した。自由化部門に該当するのは、高圧(標準電圧6000ボルト以上)または特別電圧(同2万ボルト以上)で契約している場合。ビル・工場など企業が中心だが、住居専用でも超高層を始めとする大規模マンションなどでは、高圧受電で契約したうえで変電設備により低圧に変電しているケースが多く、今回の値上げ対象に含まれている。管理士会は、「専有部分だけでなく、共用部分の費用負担者も区分所有者個人。そもそも当該電気料金は、企業を主な対象とする自由化部門に組み込む性質のものではない」と指摘。「妥当性のある料金体系を示すべきだ」と訴えた。具体的には、値上げする際は経産省に申請したうえで認可を取得しなければならない家庭用電気料金と同様の手続きを、マンション共用部の電気料金にも適用することを求めた。これに対し経産省の柳澤光美副大臣は、検討する意思を示した。
管理士会によると、値上げ対象に含まれるマンションの棟数は現時点で把握していないという。ただ数十戸の小規模物件でも、機械式駐車場が付設されているなど電力を大量消費するマンションでは高圧受電で契約している場合が多いため、相当数が該当するとみられる。なお管理士会では、総戸数660戸のマンションで電気料金が17%引き上げられたと仮定すると、1戸当たり年間3000円の負担増になると試算している。
東電は、値上げ実施日の4月1日が契約期間の途中であれば、契約者の承諾なしに値上げを実施することはない旨を説明。ただし契約期間満了後は、「値上げに理解を賜りたい」としている。
(http://www.nikkanren.org/index.html)
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