政策 賃貸・管理

宅建業の質向上と責任範囲明確化を 国交省・有識者会議が提言骨子案

 中古住宅流通促進に向け、宅建業者をはじめとする市場参加者の役割などを検討している国土交通省の有識者会議「不動産流通市場活性化フォーラム」は4月20日、提言骨子案を提示した。

 骨子案では、消費者ニーズに対応する流通システムや流通活性化に向けた環境の整備に向けて、宅建業者の資質やコンサルティング機能の向上を挙げた。具体的には、教育・研修制度の充実や従業者の基礎的能力・知識の向上を提示。併せて、リフォームやインスペクションをはじめとする関連分野事業者との役割分担や責任範囲の明確化を挙げた。

 また、関連する産業やツールの育成、充実にも言及。インスペクションの検査項目の明確化やインスペクションとリフォームを同時に行うことができるような支援、建物評価マニュアルの統一化、中古住宅購入費とリフォーム費用を一本化したローン商品の普及などを掲げた。

 会合に参加した委員からは、こうした項目に加え、流通市場の在り方に言及すべきとの意見が挙がった。さくら事務所の長嶋修社長は「仲介物件の囲い込みによって、大手寡占で中小が厳しい現状がある」と指摘した。

 提言は6月にも取りまとめる。実現可能性にとらわれず、委員から上がった様々な意見を盛り込む方針。国交省は提言を受け、制度改正や13年度予算要求などへ反映させることを視野に入れている。