帝国データバンクによると、被災地・東北の2011年度の倒産件数は402件(前年度比27.3%減)にとどまったものの、「企業活動の停止や消滅」を意味する休廃業・解散件数は1928件(前年度比11%増)に増えていることが分かった。同社では、「倒産件数だけでは見えてこない、東日本大震災後の厳しい現実があらためて浮き彫りになった」としている。
また全国ベースでは休廃業・解散件数は2万5008件と3年連続で前年度を下回ったが、1万1435件に上った倒産件数の約2.2倍に達した。業種別では、内需低迷の影響を受けたサービス業と不動産業が集計開始以来、最多を記録した。1431件発生した不動産業は前年度比14.2%増加。その他の業種を除いて、最も高い増加率だった。
同社は、「2012年度の休廃業・解散件数は4年ぶりの増加となりそうだ。現状、休業・廃業状態にある企業は、債務整理の過程で法的整理に移行する事態も考えられる。今後の倒産件数を押し上げる要因となる可能性も十分にあり、動向を注視する必要がある」としている。
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