住環境研究所がこのほどまとめた「リフォーム実態調査」で、住まいの耐震性能に最も不安を抱いているのに、リフォーム工事における耐震補強の優先順位は14位という実態が明らかになった。この調査は、戸建て居住者で30万円以上のリフォーム経験者を対象に、アンケートと一部にインタビューを実施。有効回答は519件。
それによると、住宅を維持するうえでの不安は「耐震」が34.1%と、2位の床下(基礎含む)の18.3%を大きく引き離した。しかしながら、これとは対照的に、リフォーム工事での耐震補強の実施率は4.6%にとどまり、優先順位は14位に大きく後退する結果となった。
同研究所では、ユーザーのこうした実態について、耐震性が備わっていると認識している、大がかりな作業で費用が高そう、劣化が見える水周りや外観を優先している、との3つの要因を分析。それを踏まえて、建物の客観的な診断やアドバイス、工事費用とメリットの明確化、工事準備や工事手間を省く工夫が、事業者側の課題だと指摘した。
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