住宅金融支援機構は10月7日、同月1日に創設された「フラット35・地域活性化型(防災対策)」について、栃木県内の23市町との合同協定締結式を同県宇都宮市内で開いた。協定は同月1日付。この新たなフラット35において、同機構が県内ほぼすべてに相当する規模の市町村と一斉に協定を結んだのは同県のみで、全国初の取り組み。
合同協定締結式では、同機構と23市町との間で協定書が交わされたほか、福田富一栃木県知事と、協定市町の代表として岡部正英佐野市長があいさつに立った。
今回の新「フラット35」は、地方創生に向けた取り組みとして17年に創設された「フラット35・地域活性化型」を拡充し、防災対策プランとして追加したもの。住宅の防災・減災対策に取り組む自治体との連携を前提に、住宅ローンの借入金利を一定期間引き下げる。金利引き下げ期間は当初5年間で、引き下げ率は年0.25%。なお1日には同様に、「フラット35・地域活性化型(地方移住支援)」も創設されている。
同県は17年に「栃木県住宅マスタープラン」と「栃木県建築物耐震改修促進計画」を改訂し、その中で“住宅の耐震性の向上”を提唱。15年度末に82%だった県内住宅の耐震化率を、20年度末までに95%へと引き上げることを目指し、耐震建て替え助成事業を開始している。
こうした方針を受け、協定を締結した同県内の23市町は、それぞれが独自に耐震改修補助事業や耐震建て替え助成事業等を展開。同機構は各自治体による財政的な支援と合わせ、耐震建て替えによる住宅の耐震化を推進する狙いだ。