マンション・開発・経営

地所レジ 型枠パネルのトレサビ確保、国際認証取得で強化

 三菱地所レジデンスは、新築分譲マンション施工時の型枠コンクリートパネルについて、トレーサビリティ(木材の生産地や生産過程の情報を追跡できること)の確保を強化する。これまで実施してきたスキームに代えて、このほど取得した国際認証を活用していく。また、木質系廃棄物のリサイクルにも取り組む。いずれも7月に販売開始予定の「ザ・パークハウス高輪松ヶ丘」(東京都港区高輪)より取り入れる。

 同社は従来、型枠コンクリートパネルのトレーサビリティを確保するため、『森林から木材卸』までの過程で認証制度の認証を取得。ただ『型枠加工から施工』の過程は、認証取得の有無について関連会社間でばらつきがあったため、当該過程については日本ガス機器検査協会の第三者証明を同社が取得。この独自スキームによりトレーサビリティを担保してきた。

 今回、『型枠加工から施工』の過程について、国際的な非営利団体であるFSCのプロジェクト認証を取得。国際認証の取得により、トレーサビリティ確保の強化を実現した。

 また木質系廃棄物のリサイクルについては、廃材の回収からパーティクルボードの製造・加工、配送までを一貫して手掛ける東京ボード工業と提携。足場の板などの周辺部材を含めて、施工時に出る木質系廃棄物を破砕・チップ化し、パーティクルボードに再生させ、新たな建設現場で使用するサイクルをつくる。

 三菱地所グループは、建設時に使用する型枠コンクリートパネルに、持続可能性に配慮した調達基準にある木材(認証材、国産材)と同等の木材を使用。その使用率を2030年までに100%とする目標を掲げている。これに沿って今後はオフィスビルでも、型枠コンクリートパネルのトレーサビリティ確保を強化する可能性があるという。