住友林業は、宮城県石巻市で開催中の総合芸術祭「Reborn-Art Festival 2021-22[後期]」(8月20日～10月2日)に、移設と組み替えができる移動式木造建築「CLT combo(仮称)」を寄贈した。イベント期間中、石巻駅前のインフォメーションセンターとして仮設利用し、その後市内の宿泊研修施設へ移し宿泊棟として利用する。また同木造建築は、自然災害など有事に被災地へ移設して仮設住宅・施設としての利用も想定しており、今回はその実証実験も兼ねている。
CLT combo(仮称)は同社研究部門の筑波研究所が開発した。キャンプ場の宿泊施設やワークスペース、セカンドハウスなどのほか、災害時の仮設住宅まで様々な用途での利用が可能。
CLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)は、木材の繊維方向を交差することで優れた強度と容易な施工性を発揮する集成板(パネル)。欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床として普及しており、日本でも国産材CLTを活用した中大規模建築の木造化など新たな需要が期待されている。今回寄贈したCLT combo(仮称)は国産スギ材のCLTを使用している。
イベント終了後は石巻市内の宿泊研修施設「もものうらビレッジ」(宮城県石巻市桃浦字ウトキ)へ移設し宿泊棟に利用する。実証実験により、有事における迅速かつ確実な被災地への移設、運搬や組み替えでの課題を検証する。
同イベントは東日本大震災の被災地で「Reborn-Art=人が生きる術」をテーマに掲げて17年に始まった。3度目となる今回はコロナ禍のため前期(21年夏)と今回の後期(22年夏)の2期開催となった。
