企業と従業員の深いつながりを示すエンゲージメントの改善クラウド「モチベーションクラウド」を提供するリンクアンドモチベーション(東京都中央区)と、企業向け動画コンテンツ「GLOBIS学び放題」を事業展開するグロービス(東京都千代田区)は、セミナー「8割の人事に課題意識! 変化に強い『自立型人材』を育み活かす組織の2つの秘訣とは?」を共催し、ウェブで配信した。
取り巻く事業環境の大きな変化から企業では今、「自律型人材」の育成が始まっている。ただ、社員の意識変革や行動変化に課題を感じている人事担当やマネジメント層は少なくない。
リンクアンドモチベーション・マネージャーの山中麻衣氏は、「先行きが見えず変化の激しいVUCA時代と言われる現在、システム開発の観点での短工期で改善を繰り返すアジャイルは、企業組織にも当てはまる。従来の上意下達でなく、部下も自律型人材となって双方向のコミュニケーションが必要」と指摘。「自律的な個人を育成し、人員や組織をつなぐ結節力を持つマネージャーの育成が、変化に強い組織を形成する。その際には相互理解と結びつきの強さを示すエンゲージメントが大切。それは各自で温度差があり、その向上には身体の健康管理と同様に診断と改善を繰り返す。不満理由の解消に加え、仕事やその会社で働く意義、魅力を明確に伝える。成果を最大化するための観点を持ち、個々人の特性を把握して伸ばすマネージャーの役割は大きい」と説明した。
グロービス・マネージャーの越田愛佳氏は、「自律的な学びの阻害要因には、終身雇用・年功序列・会社主導の人事異動などがある。優秀な人材ほど、社内での自分の未来を重要視する。自律的に働いて成果を出すために、社内外で学ぶ、常に学び続けられる研修環境づくりと仕事との連動が重要。見える化・仕組み化・システム化から社内の仕組みに一貫性を保つ。大手企業はすでに自律性を重視し、自己選択できる学習プログラムを用意している。企業は、学びを社員に任せきりにせず、キャリアデザインが描きやすくなるよう、学びの場面で企業からの必要な働きかけを行える制度設計を行う役割がある」と説明した。