営業・データ 投資

JLL 大阪不動産市場 オフィス賃料は先安観拭えず

 不動産サービス大手のJLLは、大阪の不動産市場動向をまとめた。オフィス市場をみると、第3四半期(7~9月期)の新規需要は3万5000平方メートルだった。期末時点の空室率は3・4%と前期比0・1㌽低下した。前年比では0・4ポイント上昇している。同様に賃料水準を見ると、1坪当たり2万2667円(前期比1・0%上昇)となり、前年比では3・9%下落している。24年以降に大量供給を控えており、賃料の先安観が拭えない状況が続いている。

 第4四半期は一部の既存ビルの空室が増える見込みとした。23年は新規供給は限定的であるものの、22年に竣工した新築ビルに移転したテナントの移転元の空室が顕在化すると見通す。これに伴い賃料の落ち込みも続くと予想している。

 大阪圏の不動産投資額は753億円だった。第3四半期末時点で前年同期比41%減、前期比で119%増だった。大阪圏の投資額が国内投資額に占める割合は14%となり、前年同期の10%、前期の5%を上回っている。
同社では、投資家の物件取得意欲は衰えていないと見立てる。セクター別の投資額割合はオフィスが39%と最も高く、賃貸住宅(22%)、ホテル(20%)、リテール(10%)、物流施設(6%)と続いた。特に足元の大阪圏の特徴はホテル取引が活発だという。

 第3クォーターまでの海外投資家の割合は前年同期比横ばいの38%となり、国内全体の不動産投資額に占める海外投資家の割合(32%)を上回っている。