スペースリー(東京都渋谷区)は、セミナー「業務効率化、成約数UPを実現したVR活用法とは?」を開催し、ウェブで配信した。
同社提供の空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」を実際に活用して効果を得ている賃貸仲介・管理業の良和ハウス(広島市西区)が成約数で105パーセント向上などした事例から、VR(仮想現実)コンテンツを活用した「内見」の有用性を考えた。
スペースリー西日本営業部長の藤原基己氏と、良和ハウス賃貸事業部部長の熱田健輔氏の両氏が登壇し、対談形式で進行した。
両氏の発言要旨として、「直近の賃貸取引状況は学生の動きが鈍い。新築物件でも少なからず空室が散見され始めていた。来店数は伸びないが、問い合わせ数は増えている」と現状を説明した。
こうした状況が続く中、広島エリアで15店舗を展開している良和ハウスでは、同プラットフォーム「スペースリー」の活用を始めたところ、「2022年8月から2023年2月の7カ月間の成約数が前年同期比105パーセントにアップした。繁忙期の2023年1月単月の現地内見数を90件削減できた。内見1件で30分掛かるとすると90件では2700分(45時間)の業務効率化の効果を得た」と紹介した。
また、同プラットフォーム「スペースリー」の活用に際して良和ハウスは、「内見用のVRコンテンツの制作目標を設定し、1日2件から3件で月当たり50件とした。ただし、単に制作するのではない。VRコンテンツの導入目的を店舗スタッフに理解してもらい、業務で浸透させることが大切だった。導入を目的化するのではなく、その活用から業務を効率化する。そこから創出した時間を使って新たな応対数、つまり成約数を伸ばす目的がある。入居検討者の来店時にVRで内見してもらって事前に物件を絞り込むことができる。効率よく内見を行え、応対数(回転率)を上げることができる」と解説した。
更には、「実際に市販されている家具を仮想で配置するバーチャルホームステージング機能を用いることで、新たな暮らしをイメージしやすくでき、訴求力が高まった。競合他社との差別化やアピールポイントともなっている。こうした効果を店舗スタッフが実感したことで、今では自発的に会社として指示はしなくても、SNS(無料動画配信アプリ)を活用した集客活動も始めている。会社全体としての営業力の向上にもつながっている」と説明した。