総合不動産コンサルティングサービス提供のコリアーズ・インターナショナル・ジャパン(東京都千代田区)は、同社で独自調査した世界の今後の不動産市場の動向を予想する「2024年 グローバル・インベスター・アウトルック」を発表した。2024年は、2023年よりも「明るい」と予想している。
同調査結果によると、市場環境の不確実性の後退で、売り手と買い手のギャップが縮小しており、アジア太平洋地域では、一層多くの投資家が資金の投入に動くことで、2024年を通じて投資活動は活発化する、と予想している。
投資先を求める多くの資本が蓄積している。アジアのほとんどの市場では既に資本が厚く、多様化している。アジア地域の政府系投資機関は今後数年間で、「不動産」への配分を大幅に増やす意向を示しているという。
アジア太平洋地域の投資家の6割は、地域の経済成長が不動産の投資環境にプラスに働くと期待しており、インドや韓国などの急速に成熟しつつある市場の回復力と成長機会を認識している。
同調査結果によれば、不動産への資産配分を増やすことを計画している投資家の割合が増し、2024年にかけてアジア太平洋地域の回答者の75パーセント(現在は64パーセント)は、将来的に運用資産の5パーセントから20パーセントを「不動産」に割り当てる計画にしている。
ただし、商業用不動産の見通しが原状よりも改善すれば、一層多くの投資機会が生まれるため、アジア太平洋地域の主要な投資家は、引き続き資本を「海外」に向けることが予想される、とも指摘している。
2024年の見通しは、北米と欧州の投資家がアジア太平洋の全域で投資戦略を展開し、地域を超えた不動産投資が継続する。アジア太平洋地域は2024年も世界の投資をけん引していく、予想している。