東京大学発のスタートアップ企業のSOEL(千葉県柏市)は、奥村組(大阪市阿倍野区)と共同で、建設現場での実用化を目指す「ローラブル太陽電池」を活用した実証実験を始めた。
2024年3月までの実験期間で、現場事務所や現場詰所の仮設コンテナの電力需要への対応から検証をスタートさせる。今後の建設現場での「ゼロカーボン」や「安全・簡易な電力調達」の可能性を検証する。
SOELは、従来利用の太陽電池の素材を使った軽くて曲がる太陽電池「ローラブルシリコン太陽電池」を開発した。樹脂の構造に工夫を施したことで、「曲がる・軽い・持ち運べる」特徴を持つ形状を形成したという。同技術は現在、特許を出願している。
建設現場は、通常の電力の調達が困難な環境にある場合が少なくない。そのため一般的には、ディーゼル発電機を使った電力調達が主流となっている。ただし、その場合、騒音問題やCO2(二酸化炭素)の排出など、環境負荷が問題視されている。電力調達の難しい環境でも安定的で環境にもやさしい電力の調達は喫緊の課題に挙げられている。