積水化学工業・住宅カンパニーのシンクタンク、住環境研究所はこのほど21年に休止していた調査・研究の発表を再開、「子どもと睡眠」をテーマとした実態調査の結果を公表した。調査対象は20~30歳代の既婚、6年以内の住宅取得者で10歳までの子供がいる698人。
子供の年齢からくる睡眠の困りごとを聞いたところ、上位に挙がったのは未就学児(0~5歳)の場合は「夜中に目を覚ます」「寝付かない」、「寝る時間が日によってまちまち」、就学児(6~10歳)では「朝起きられない」「親と一緒に遅くまで起きている」「朝、目がさえるまで時間がかかる」など、いずれも寝覚めに対する事項だった、
未就学児のいる世帯では、「家事や自分の時間が取れない」、「自分が寝不足となり仕事や家事に影響する」など、親自身の家事や仕事への影響に対する懸念が多かった。一方、子供が6~10 歳の世帯は、「子供の生活時間の乱れ」、「睡眠不足による成長の遅れ」、「勉強の意欲低下」など、子供の成長や勉強に関する懸念が多数を占めた。
働き方別では、片働き世帯で最も多かったのは「寝不足が家事に影響する」だったのに対し、共働き世帯は「朝の忙しい時に時間を有効に使えない」、「保育園、幼稚園、学校に遅刻」など、朝の生活に関する悩みが多数を占めた。
子供の睡眠を良くするための寝室における工夫を聞いたところ、最も多かったのは「静かにする」、「照明を睡眠時間に合わせて暗めに設定」、「室内を暖かく・涼しくする」など、入眠時の音、光、温度が上がり、子供の年齢別で違いはなかった。
生活面の工夫で最も多かったのは「決まった時間に寝かせる」、次いで「早く寝かせる」、「寝る行動を促す」が続いた。子供の年齢別では、0~5歳児は「たくさん遊ばせる」、「生活リズムを子どもに合わせ親も決まった時間に寝る」が多く、6~10歳児では「寝る行動を促す」、「朝決まった時間に起こす」といった生活リズムを整える働き掛けが中心となっていることがうかがえた。