マーキュリー(東京都新宿区)は、「分譲賃貸利回りランキング」を発表した。分譲マンションを賃貸に出す際の利回りを算出してエリア別にランキングした。最も利回りの高かったのは、横須賀市(7.%)だった。
同調査は、2024年に首都圏1都3県で流通した分譲賃貸マンションの賃料と、当該の住戸の新築分譲時の価格を基に表面利回りを算出し、エリア別に集計してランキングした。
ランキング結果によると、最も利回りが高かったのは横須賀市の7.7%だった。賃貸流通した住戸の新築分譲時の価格が3095万円だったのに対し、管理費を含めた賃料の平均は19万8000円だった。同市内の駅前にある大規模なタワーマンションが高めの賃料設定で流通したため、利回りが高くなったと同社は分析している。そのほかの上位のエリアを見ても、大半が郊外エリアとなっている。トップ10に入った政令指定都市は、さいたま市北区だけだった。
また、東京23区内に限ってみると、江東区の利回りが高く、全体で14位の6.2%だった。新築分譲時の価格が5303万円だったのに対し、管理費を含めた賃料は27万2000円だった。豊洲をはじめとした湾岸エリアの大規模マンションやタワーマンションの住戸が大量に賃貸市場に流通している背景がある。分譲時の高めな販売価格ながら、充実した設備などから賃料もかなり高めに設定されていることで、利回りも高くなっていると同社は分析している。
同社では、「ランキング上位の市区町村は、郊外で新築分譲時の価格が安く、かつ、駅前や大規模物件、タワーマンションなど、立地の優位性とスケールメリットの両方を享受できるマンションのため、同じ地域の中でも賃料がかなり高めに設定されている場合が多い。結果的に、利回りが高い傾向が見られた」と総括している。