長谷工コーポレーションはこのほど、生成AI技術を活用し、施工管理者の危険予測を支援するシステム「Kizuki AI(キヅキアイ)」をオープンソースのAI開発プラットフォーム「Dify」上で開発し、活用を開始した。建設現場での安全対策に関する知識の平準化と効率的な対応を図る。
「8月現在、当社が首都圏で手掛ける129カ所全ての建設現場で採用している。今後、全エリアの建設現場へ順次拡大していく」(同社コーポレートコミュニケーション部)。
パソコンやスマートフォンに工種、作業内容、天候、気温を入力し、作業現場の写真をアップロードするだけで、生成AIが熱中症や足場の不安定性など、想定されるリスクと対策を具体的に提示する。施工管理者に気づきを与えることが可能になる。
同社はこれまでの試行段階で、過去の災害事例の写真をもとにプロンプト(生成AIへの指示)を調整し、検出されるリスクの精度向上を図ってきた。若手の施工管理者と同システムのそれぞれがリストアップしたリスクを比較したところ、若手の施工管理者に新たな気付きを与える効果を確認したという。
同社では「現在、首都圏の作業所で検証を進めており、システムの精度を高めるとともに、近畿圏・東海圏の建設現場での利用拡大を進めていく」としている。同社は現中期経営計画 「HASEKO Evolution Plan」の重点戦略に沿って、DXを加速している。
