総合

大言小語 移ろい行く街

 この夏、久しぶりに帰省した。昔遊んだ小さな川は埋められ、遊歩道に様変わりしていた。よく、ザリガニやカエルなどを採っては持ち帰り、母親に気味悪がられたものだ。その川は、その後に柵が設置され、親らが近づくことを禁止して、子供たちは寄りつかなくなっていった。

 ▼街の姿の移り変わりは、ある意味で寂しい。一方で期待で高まる気持ちもある。建物も同じだ。今の住まいの近所では、駐車場だった場所に蕎麦店が開業し、クリーニング店は建て替えて見違えるような店の顔となり、若い奥様たちなどの新規顧客を取り込んでいるようだ。

 ▼都内を見ると、20年東京オリンピックを意識し、東京駅や虎ノ門などで再開発案件が密集している。渋谷駅では9月13日に、高層複合施設「渋谷ストリーム」が開業した。渋谷川や、名物ともいえた〝かまぼこ屋根〟、旧渋谷駅の高架橋が再現・再利用されたようだ。東急東横線に敷かれていたレールも使われている。ストックの有効活用時代に沿って、昔の面影も忍ばせながら〝新たなまち〟が形づくられている。

 ▼次の再開発で気になる場所がある。日本橋だ。まさしく、その橋の上に、どんと首都高速道路が走っている。江戸時代までさかのぼって、とは言わないが、インバウンド(訪日外国人)が増えて日本らしさを伝える橋にしては、現在の景観のままでは近づいて鑑賞する気持ちにはならないだろう。