去年は各地で大災害が頻発した。地球温暖化が原因とすれば今年も同様か。ただ、国民の多くが最も恐れているのは近く起こるといわれている巨大地震である。
▼その一つに首都直下型地震があるが、政府の地震調査会が「今後30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下型地震が起こる確率が70%」と発表したのは5年前だった。その後もエネルギーが溜まり続けているとすれば、いずれその確率が「10年以内に90%」となってしまう可能性もあるだろう。そんなことが発表されたらどうなるだろうか。
▼首都圏に住む多くの人たちが地方に逃げ出すに違いない。資金のある人は地方に土地と家を取得したり、海外に移住したりするだろう。資金に余裕がない人たちは地方の実家や親戚を頼るしかない。首都(機能)移転構想も、またぞろ動き出すか。ただ問題は、そうしたことを政府が発表するかどうかである。たとえかなりの根拠が専門家から示されたとしても。
▼ある種の動物にはそうした天変地異を察知する能力があるといわれるが、残念ながら人間にはなさそうだ。それどころか、都会に住むようになった人間は「本能が壊れた動物」と唯幻論を説く岸田秀氏はいう。本能が壊れた人間が生き延びるすべは、「みんなで渡れば怖くない」式の共同幻想を信じるしかない。地震に限らず、我々はそろそろ自分の直感で生きなければならないのではないか。