先週は大きなニュースが相次いで飛び込んだ。まずは、テニスの全米オープン女子で、日本の大坂なおみが2年ぶり2度目の優勝を飾った。警官などに射殺された黒人の名前をマスクに記載し、ゲームに挑んだ。スポーツに政治を持ち込むなという声を勝ち続けることで封じ込め、用意した7枚をすべて披露できた。未だ批判する向きもあるというが、気にすることなく、試合に臨んでほしい。
▼そして、本紙でも取り上げた菅内閣誕生。総理は、これまでの安倍政権を継承していくと自民党総裁選で何度も言った。その通り、再任の大臣も多い。しかし、河野行政改革担当相など、改革を進める姿勢も見せている。コロナ禍で閉塞感が漂う現状を打破し、新しい日本を見せてくれることを期待したい。
▼ただ、気になることもある。それは総理が官房長官時代から見せてきた、国民に理解してもらう姿勢の希薄さだ。「その指摘は当たらない」「個別の事案についてのお答えは控える」という紋切り型のゼロ回答、これはやめてほしい。
▼さて、業界にはどんな影響があるだろう。講演などで聞いた菅総理の印象は、民主党政権とアベノミクスを比較して、その成果をとうとうと述べる姿だ。今度は自らの政策を前面に出す必要がある。内閣を見ると、業界に理解が深い顔ぶれが見受けられる。新しい日常に即した新たな政策が生まれることにも期待したい。