1年経てばコロナも収束するのではないかと期待していたが見事に裏切られた。政府も第3波を甘く見ていたのかもしれないが、国民の側にも油断があったのではないか。実際、2回目の緊急事態宣言が出された後でも昼間の人出はあまり減っていない。誰かのせいにするのではなく、自分自身で管理を徹底して油断しないようにする「自助」が必要だ。
▼今年の住宅・不動産市場はどうなるのか。税制改正やグリーン住宅ポイント制度などの対策に加え、低金利も続いているので大丈夫だろうと〝期待を込めた〟予測がある。しかし税制改正などは政府頼みであり、今こそ、業界が自らの改革で未来を切り開かなければならない。まさに「業界自助」だ。
▼コロナ流行を機に働き方・住まい方改革が進み、これまでの常識が見直され始めた。そこから新たな価値観が生まれてくる。住まい方改革では、これまでの「職住近接」から「職住一致」へという価値観の転換が注目されている。在宅ワークで職住一致が可能となれば、通勤時代とは異なる豊かな暮らしがもたらされる。まさに生活のDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。
▼これもまた甘い期待と言われるだろうか。ただ、「職住一致」には雇用形態を大きく変えなければならないだろう。雇用する側とされる側の理解が必要になる。誰かに期待するのではなく、個人一人ひとりの意識改革が必要だ。