多くの人は人間がロボットに支配されることなどあり得ないと思っている。しかし、今は誰もがポケットやバッグに小型ロボット(スマホ)を入れている。電話がかかってくればつないでくれるし、知らない街で道に迷ってもGPS機能で現在の位置を示してくれる。
▼スマホを一時も手放せない現代人は既にロボットに支配されていると言っていいだろう。しかし当人は、自分が「スマホを使いこなしている」と思っている。自分は亭主関白だと思っている男が、実は奥さんに上手にコントロールされているようなものだ。
▼ロボットと人間の距離も近づいている。通信技術の発達で今は人と人とが簡単につながることができる。その分、あまり相手のことは考えなくなった。その証拠にいつでも気安く簡単に電話する。人間が人間についてあまり深く考えなくなった。そして人間は互いに通信し合うだけの機械のようになっていく。
▼不動産テックの浸透が怖いのはその点である。営業マンが顧客のことを人間的に深く知ろうとしなくなる。一方でロボットはそこを狙ってくるかもしれない。人間が人間について深く考えないのであれば気が付かないように自分たちの支配下においてしまおうと。ロボットが自身を意識する日は近い。人間の意識も脳の働きにすぎないのだから、AIロボットが自分たちをロボットと意識するのとあまり大差はないだろう。