ゼンリン(東京都千代田区)は、不動産業の現場で欠かせない物件の管理や調査などに役立つ地図コンテンツが充実する不動産業者専用のアプリケーションサービス『ZENRIN GISパッケージ不動産』の提供先が伸長している。不動産取引で説明が義務化されている「水害ハザードマップ」を含めた〝ハザード情報〟などを新たに加えたバージョンアップも奏功している。DX(デジタルトランスフォーメーション)の時勢に、一層の技術進化を追究していく。
同サービスは、独自の住宅地図やブルーマップ、用途地域や地価公示などの8つの地図コンテンツをまとめて閲覧できる。これらの地図の重ね合わせや切り替えも簡単で、商談時の場面に応じた使い方は工夫次第だ。従来のように行政機関の窓口やホームページなどでの情報収集の移動コストや時間の手間がない。コンテンツ情報は定期的に更新されるため、いつでもオフィスのデスク上で最新の情報を活用して業務を効率化する。
学校区も閲覧可能
今回、利用企業から要望の多かった生徒・学級数や通学区域などを示す「学校区」をはじめ、洪水・土砂・津波の「ハザード情報」を表示できるようにした。更には、重要事項説明時に使える市町村作成のハザードマップを得られるよう、ワンクリックで自治体ホームページの参照ページ先にリンクする機能を搭載した。一層の使いやすさのために、UI(ユーザーインターフェース)の観点で操作手順を簡略化した。分かりやすい直感的なボタン操作で、すぐに各種コンテンツ情報を得られるようになり、管理画面も刷新した(サービス画面)。
初期費用は必要ない。利用したい範囲に応じて選べるように、月額料金制で「都道府県単位」や、市区町村の「1つ」または「3つ」から選べる、3つの料金プランを用意した。地域に強い地元不動産会社にとって更に導入しやすくなったと好評のようだ。
要望の声に応えて
今後も、アンケート調査などを通じて要望の声を取り込み、新たな機能を付加させるなど、「管理業務や事前の調査などのそれぞれの場面に柔軟に対応できるよう改善を続け、対象領域を広げたい」(同社事業統括本部プロダクト事業本部プロダクト企画部プロダクト企画一課課長の石橋圭太氏)と話している。