売買仲介

カチタスが空き家所有者調査 「相続登記義務化」認知度2割 残置物の処分も負担に

 中古戸建て住宅の買取再販事業を手掛けるカチタス(本社、群馬県桐生市)はこのほど、「第1回空き家所有者に関する全国動向調査(2021年)」の結果を公表した。7月28、29日に全国の空き家所有者を対象にインターネットで調査した。有効回答数は963。それによると、相続登記義務化について「知っている」と回答した空き家所有者は23.2%にとどまり、大半(76.8%)が「知らない」ことが分かった。相続登記については、今年4月に成立した改正不動産登記法で、相続の開始を知って、かつ所有権を取得した日から3年以内に所有権移転登記を行うことを義務化する内容が盛り込まれた。

残置物処分希望多く

 施行は3年以内とされ、まだ先ではあるが、同調査では対策として検討している内容について聞いたところ、「まだわからない」が44.8%を占めた。次いで、「売却をする」(25.5%)、「相続登記をして自分で利用する」(10.2%)、「相続はするが利用しない」(4.7%)の順だった。また、売却先に求めることを聞いたところ、「信用・信頼」が圧倒的に多く68.3%だった(グラフ参照)。年代別では50歳以上の世代で数値が高く、55~59歳では83.5%が売却先に「信用・信頼」を求めていた。その次に回答が多かったのは「高く買ってくれる」(41.0%)。「家の中にある家具や家電など残置物も処分してくれる」も28.0%を占め、同社では、「空き家に残された物を処分することが空き家所有者にとって大きな負担になっている」としている。

 なお、同調査の回答者が所有している空き家の建物形態は、一戸建てが78.1%、マンションが17.0%、アパートとその他が7.6%で、戸建て住宅が約8割を占めた。