全管協総合研究所(東京都中央区)と不動産DXサービス提供のGMOReTech(東京都渋谷区)は、「攻め」と「守り」の観点から差別化を図る賃貸管理のノウハウを考えるセミナーを9月6日に共催し、ウェブで配信した。
全管協総合研究所の末松佑基氏は、管理戸数を増加させるための〝攻め〟の視点で、「まず空室対策として〝ゼロ賃貸〟の導入やリフォーム・リノベーションを施すなど、自社独自の商品化を考える。ウェブサイトの活用によって集客を拡大させ、営業力を高めて、仲介件数を増やすことでKPI(重要業績評価目標)を達成する。こうして入居率を高めつつ、専門企業との連携や外注化、パートスタッフの活用なども通じて、クレーム・相談の対応や原状回復時の立ち会いなどを含めて管理業務を効率化する。これらにより、年間300戸の管理戸数拡大を継続できるようにすること」と強調した。
それらの実現のためには、「現状の自社内の、どこに課題があるのか業務を見直す。また、商圏を明確にする。新規オーナーの開拓と共に、既存オーナーへのアプローチ提案や、情報発信で変化を持たせる。管理物件の追加や紹介を受けられるように工夫を継続すること」と説明した。
信頼関係の構築
GMOReTechの中村秀造氏は、最新DXシステムを活用した業務効率化と〝守り〟の賃貸管理の視点から、「知らないうちに管理物件が売却される場合や、管理業務を他社へ変更されてしまう場面は、業務の見直しで防げるケースでもある。そうした要因には〝コミュニケーション不足〟が大きく影響している場合が少なくない」と指摘。そのため、「リノベーションの成功事例などの、具体的に喜ばれる情報を提供する。要望を単に聞くのではなく、不満や悩みを聞かせてもらえる〝信頼関係の構築〟が最も大切になる」と強調した。
コミュニケーションの時間を創出し、「〝価値の源泉〟につながるコア業務に注力して、接点づくりができるようになるために、最新ツールがある」と説明。同社が提供する不動産業務のDXサービス『GMO賃貸DX』のアプリシリーズを紹介した。