ヒューリックは、内装・家具付きで、敷金や原状回復費用不要な中規模フレキシブルオフィスの展開を開始した。11月1日に「Bizflex麻布十番 by HULIC」(東京都港区三田一丁目)を開設。人員構成の変化が速い成長企業をターゲットとし、ネット費用など諸経費込みのサブスクリプション型の定額賃料で、3カ月前予告での短期利用が可能となっている。ニーズや環境の変化でアップデートできるDXを活用したテナント向けサービスを導入する。
同社では、「Bizflex」シリーズを新たな事業の柱の一つと位置付けており、「全く新しい商品として開発」(ビル事業企画部ビル事業室の竹内佑太氏)した。既に4号物件までの供給を決定しており、都心部を中心に年間5棟程度の供給を目指す。
同シリーズでは、「借りやすく返しやすいオフィス」「すぐに使える先進のオフィス」「生産性をサポートするオフィス」の3つをコンセプトとして展開する。サブスク型の賃料とDXが大きな特徴。サブスク型賃料にすることで、成長企業にとって、まとまった資金を寝かせ、使い勝手が悪い、一般のオフィス契約で必要な敷金や契約期間中の途中解約不可、違約金の発生、年単位の契約をなくした。DXは、オフィスの機能をアップデートし、ワーカーの業務生産性向上を支援する。クラウド連携の会議室予約システムや社員状況の可視化、取り次ぎが不要になるゲスト受付システムなどを提供する。
同物件は、6階建てで、1階部分にテナント同士でシェアする4つの会議室とドリンクスタンドがあるラウンジを設置。来客の応接や打ち合わせに利用できる。1階には2年間の予定でオフィスのDXを検証する「Office Tech Lab」を設置。ここを拠点に伊藤忠商事やセコムなどの事業パートナーと連携して、様々な新サービスや実証実験を行う。
2~6階まではワンフロアを賃貸するオフィスで、広さは約70m2となっている。机や椅子などの什器は設置済みで、フロア専用Wi-Fi、2つの会議スペース、フォンスペースを備える。賃料は月額330万円で、1フロアは契約済み。ベンチャー企業などから問い合わせがきているという。
第2号物件は、23年に竣工を予定している「(仮称)六本木6丁目開発計画」(基準階面積約50坪)で、神田や浜松町で基準階面積で約45坪のフレキシブルオフィスを展開する。