建設業向けソフトウェア提供のコムテックス(富山県高岡市)は、官民連携で取り組みが進む「建設キャリアアップシステム(CCUS)」へ、現場就業履歴の登録支援システム『キャリアリンク』の提供を10月1日に始めた。カードリーダーの設置が難しい小規模な現場でも運用できる。
CCUSは、建設技能者の資格や社会保険の加入状況、現場の就業履歴などを業界で横断的に登録・蓄積する仕組み。若い世代にキャリアパスと処遇の見通しを示して将来の担い手を確保し、業界全体の価格交渉力を向上させる取り組み。CCUSの普及促進は運営主体の建設業振興基金(東京都港区)が担っている。
同社はCCUSの普及とその課題解消に向けて国土交通省に委託された実証事業で利用事業者から高評価を得たことで、今回の新システムをリリースした。仮に現場にカードリーダーがなくても、技能者の各自が持つ携帯電話やスマートフォンを使い、就業履歴を登録できる。その蓄積したデータはCCUSに反映される。これまで課題感を持っていた小規模な現場にも対応する。カードを常時携帯する必要なく、カードを忘れた場合でも入退場の履歴が残る。
データを蓄積し、残業や休日などの勤務状況を容易に把握できるようになる。労災保険の実質賃金申告などにも使え、現場の省力化を図れる。