全体の半数超の56%が、「日本の不動産投資は今がチャンス」と回答――。GAtechnologiesグループの神居秒算(しんきょびょうさん)が中華圏投資家132人に実施した9月の調査結果だ。日本の投資用不動産プラットフォームを運営する同社社長の趙潔(ちょう・けつ)氏に、日本に注目する中華圏投資家の投資意欲などを聞いた。(聞き手=坂元浩二)
――中華圏向けに。
「中国では、20代で住まいを保有しなければ結婚ができない、と言われて〝持ち家〟志向がある。社名は、人智の及ばない神のようなはかりごとの四字熟語〝神機妙算〟になぞらえている造語。顧客は神様であり、その居所の住まいと迅速につなげる仕組みとなるように中華圏向けプラットフォームを運営している」
――つなげる仕組み。
「中国には一般的な〝海外〟向けはあるが〝日本の不動産〟に特化したプラットフォームがない。当社の前身企業で上海の営業責任者を務めた経験などから、20年にGAtechnologiesグループに参画した。当社サービスは、現在では精査して7000件ほどの日本の投資用不動産の情報を掲載し、中華圏の投資家とつなげている」
――中華圏の投資家と。
「当社サービスを通じた中華圏投資家の9割は投資用で購入し、長期賃貸で資産運用する。中国語を話すマレーシアやシンガポール、カナダ、アメリカ、イギリスの投資家も当社の情報サイトを訪問する。7割近くが区分所有マンションで、戸建て住宅や1棟物件にも関心がある。文化的にも親和性のある日本の投資用不動産の注目度は非常に高い」
――注目度が高い。
「利回りを重視し、80~90年代の築古物件を中心に〝割安感〟のある日本の不動産に投資意欲が強い。当社は中国語の翻訳や通訳で日本の不動産会社をサポートする体制も整えている。言葉の壁を越えた円滑なコミュニケーション、不動産仲介取引を支援している」
――翻訳・通訳で支援。
「当社調査で中華圏投資家は4人に1人が貯蓄の5割以上を日本での不動産投資で検討している。現在は様子見の状況だが日本の不動産の魅力は依然強く、海外旅行が再開されれば〝日本〟に行きたいと考える投資家は89%で最も多い」
――日本不動産の魅力。
「自身も10代で中国の不動産を購入したのを機に、前身企業や日本での留学、東日本大震災のボランティア、GAtechnologiesなどの素敵な出会いから今がある。皆さんも言語や商習慣の壁を越え、中華圏の投資家と素晴らしい縁をつくってほしい」